生駒夢(いこまゆめ) ピアノ調律師インタビュー

駅前ピアノで扱う全14台のピアノを調律するプロの仕事とは?

調律師というお仕事に就くまでについて、小さいころからピアノに親しんでいたのですか?

そうですね。物心ついた頃には音楽教室に通っていてピアノに触れていたので、自分にとってピアノは身近なものでした。一日一回はピアノに触れないとソワソワしてしまって、20分程度だったと思いますが中学生くらいまでは毎日ピアノを弾いていました。これまで色んな楽器に触れてきましたが、やはりピアノが1番好きだなと思います。

調律師になろうと思ったきっかけは?

実家に住んでいた頃、年に一度調律師さんが家に来られてピアノを調律して頂いていて、カッコいい仕事だなと思って見ていました。その姿が頭の片隅にあったのだと思います。大学を卒業後、航空会社に勤めていたのですが、会社がコロナの影響で大規模な希望退職を集うことになり、私自身はちょうどその頃、音楽で仕事がしたいと考えていたので、会社を辞めて調律師の道に進む事にしました。

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どこで技術を学んだ?

2年間、調律学校に通いピアノについての基礎を学びました。それだけでは間に合わないと思い、在学時にピアノ工房に弟子入りして、工房に通いながら師匠がドイツで得た技術を色々学びました。バイトを4つ掛け持ちしながらの学生生活だったので忙しかったですが、その時期に師匠や先輩調律師の方のカバン持ちで色々な現場に同行させて頂けた事はとても大きな経験だったと思います。

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1台のピアノにかける時間は?

ピアノによりますが、大体1時間半~2時間くらいで仕上げています。頻繁にメンテナンスしているスタジオのピアノなどは、もう少し短時間で仕上げています。

調律の他にどのような事をしている?

スタジオのピアノをご利用頂いている中で生じる、メカニック的なトラブルへの対応や、タッチの調整、修理なども行っています。

やりがいを感じた場面は?

お客様から「音が綺麗で練習していて気持ちがいい」と言って頂けた時は、やはり一番やりがいを感じます。日頃スタジオで業務をしていてお客様と直接対面する機会は少ないのですが、いつも調律しながら「今日はどんな方に弾いていただけるのかな」「お客様が弾いていて心地がよい、気持ちが良い音に仕上げるにはどのようにアプローチすれば良いか、、」と考えながら調律をしているので、そのようにお客様から直接ご感想をいただける時は、丁寧に仕上げて良かったなと思います。

UENO HALLのピアノについて

UENO HALLにはフルコンサートグランドのYAMAHA CF3を常設しています。フルコンサートピアノと通常のグランドピアノの大きな違いは、ボディの大きさにあり、UENO HALLのYAMAHA CF3は煌びやかさを保ちつつも、上品で安定した音で響くのが特徴であると感じています。加えて低音には馬力があり、音像が迫力を保ちつつも非常に安定して響くので、プロのピアニストはもちろん、コンサートが初めてのような方でも心地よく臨場感を楽しんで頂けるのではと思います。